当研究室では、「実践につながる、生活習慣病の非薬物療法(栄養・運動)を基礎・臨床研究の両面から明らかにする」とモットーに研究を進めております。

 

最近取り組んでいる研究は次の通りです。


1. 食習慣と糖脂質代謝

 肥満、糖尿病、脂質異常症の予防として、欠食、絶食期間、間食、咀嚼、食事の質に注目して介入試験からエビデンスの構築を進めている。

2. 腎疾患の発症予防、予後改善

 腎機能低下、透析発症予防を目指して、糖尿病腎臓病の発症と関係のある因子を食生活習慣も含めて検討を進めている。透析患者においては、ADL改善を目指して、低栄養対策の観点から、集学的な検討を進めている。

3. 高齢者におけるサルコペニアと関連する因子およびインスリン抵抗性の関係

 サルコペニアにより糖を筋肉に効果的に取り込めないと推測されるが、それらの患者での血糖変動や体組成のデータとの関係の報告は乏しく、非観血的グルコースモニタリングシステムなど使って、高齢健常者の食事、運動内容と血糖変動について探索する。

4.疾患栄養指導の個別化・標準化を目指した栄養指導実態の調査

 疾患や個々人のライフスタイルに合わせて栄養指導を行うためには、その栄養指導の現状を明らかにする事が必要である。質的解析手法などを用いて、定量的に解析することが難しい栄養指導記録から栄養指導の実態をつかみ、疾患栄養指導のさらなる個別化・標準化を目指す。

5.エクサカインによる、運動療法の疾病治療効果の解明

 近年、運動時に骨格筋や脂肪組織等から分泌される生理活性物質(エクサカイン)が、多臓器機能に影響することで各種疾病の予防・治療効果をもたらすことが報告されている。新規エクサカインの探索を通じて、運動療法の疾病予防・治療効果の解明を目指している。